プロジェクトストーリー
STV × HOTnet:「通信」との協働で生まれる「放送」の未来

札幌テレビ放送株式会社(STV)
技術局技術推進センター マネージャー
原 敏志さま

北海道総合通信網株式会社
技術営業部 営業開発グループ
上級スペシャリスト
池野 桂司
プロジェクトのはじまり

池野
今回のプロジェクトは、簡単に言うと生中継の放送を、ネットワーク回線を使用したクラウド上の仕組みだけでコントロールして放送できるかどうかを検証するというものです。
この実験は、放送機材のメーカーさんとSTVさんが、弊社をパートナーとして実験したいとのご依頼をいただいたところからスタートしました。
この実験は、放送機材のメーカーさんとSTVさんが、弊社をパートナーとして実験したいとのご依頼をいただいたところからスタートしました。


原さま
メーカーさんからお話をいただいたとき、すぐに池野さんの顔が浮かびました(笑)
きっと池野さんなら飛びついてくれると思って。
きっと池野さんなら飛びついてくれると思って。

池野
飛びつきました(笑)

原さま
簡単に経緯をお話ししますと、わたしたち放送局はこれまで、放送の質や量を一定に保つため、放送用の設備に最大規模を想定した投資をしてきました。
例えば、中継番組を放送するためには、中継車やサブコン(複数の映像や音声を放送用に整えるための設備)といった設備が必要となりますが、同時に中継が重なった時を想定して、複数台の中継車、何部屋ものサブコンルームを物理的に準備しているわけです。
とはいえ、これからの時代、このような最大規模の設備投資を継続していくのは難しいことが予想されますので、もっとデイリーに必要なスペックのモノを用意しておいて、オーバーするときにだけスポットで追加していくということが出来るような仕組みにしていかなければいけない。そういう課題感があったわけです。
例えば、中継番組を放送するためには、中継車やサブコン(複数の映像や音声を放送用に整えるための設備)といった設備が必要となりますが、同時に中継が重なった時を想定して、複数台の中継車、何部屋ものサブコンルームを物理的に準備しているわけです。
とはいえ、これからの時代、このような最大規模の設備投資を継続していくのは難しいことが予想されますので、もっとデイリーに必要なスペックのモノを用意しておいて、オーバーするときにだけスポットで追加していくということが出来るような仕組みにしていかなければいけない。そういう課題感があったわけです。

池野
そう考えた時に、柔軟に構成を変えることができるクラウドプロダクションという選択肢が生まれたわけですね。

原さま
そうなんです。ちょうどよいタイミングで機材メーカーの方からも提案をいただいて、実際の放送に耐えることができるのか、実証実験を行うことになりました。

HOTnetをパートナーとした理由

原さま
機材メーカーの方から提案をいただいた際に、実際に運用するためには通信インフラやデータセンターのサービスが必要になるため、その設備があるのはHOTnetさんだという風に直接名前が挙がったんです。

池野
光栄です。私たちの S.T.E.P xfunction というサービスが、ちょうど良く当てはまりました。
これは、クラウドと回線を全てワンストップでお任せいただき、必要な機能を細かく選んで構成することで、手間をかけずにローコストで高品質なシステムを構築できるサービスです。
これは、クラウドと回線を全てワンストップでお任せいただき、必要な機能を細かく選んで構成することで、手間をかけずにローコストで高品質なシステムを構築できるサービスです。

原さま
もともとHOTnetさんとは、各放送局を繋ぐ回線でお世話になっているということもありましたし、池野さんが最新のトレンドに敏感な方で、経験も知識も豊富だということも知っていましたので、安心して依頼させていただきました。

池野
ありがとうございます。私は社内でそういうチャレンジングなことを率先してやる人間でして。
新しいことをやろうとすると、どうしてもリスクが伴うので。私のようなおじさんが、積極的にリスクを取っていくべきかなと(笑)
それと、これは真面目な話ですが、ちょうど放送業界の方たちと、もっと真剣に向き合いたいなと思っていたところだったんです。
新しいことをやろうとすると、どうしてもリスクが伴うので。私のようなおじさんが、積極的にリスクを取っていくべきかなと(笑)
それと、これは真面目な話ですが、ちょうど放送業界の方たちと、もっと真剣に向き合いたいなと思っていたところだったんです。

原さま
これまでも、STVはHOTnetさんと一緒にいろいろなチャレンジをしてきました。

池野
そうなんです。これまでは放送の『通信』の部分、いわば通り道となる土管を提供するような仕事をしてきました。
でも、きっともっと深く放送局の方たちの取り組みを知っていけば、その他の技術や設備、ノウハウを使って、より広範囲に放送業界をサポートしていくことができるのではないかと考えていたわけです。
でも、きっともっと深く放送局の方たちの取り組みを知っていけば、その他の技術や設備、ノウハウを使って、より広範囲に放送業界をサポートしていくことができるのではないかと考えていたわけです。

原さま
なるほど。確かに今回のプロジェクトでは、通信だけではなく、インフラ全てをHOTnetさんにお願いしました。
STV本社とデータセンター、データセンターと中継会場まで、全てHOTnetさんの回線でしたし、データセンター自体もHOTnetさんのものでした。実は、これが今回お願いした一番の理由でもあるんです。
STV本社とデータセンター、データセンターと中継会場まで、全てHOTnetさんの回線でしたし、データセンター自体もHOTnetさんのものでした。実は、これが今回お願いした一番の理由でもあるんです。

池野
ワンストップということですね。

原さま
そうです。普通はデータセンターはA社、本社との回線はB社、現地との回線はC社、というようにそれぞれ個別に発注や調整が必要なんですが、HOTnetさんの場合は池野さんに言えばワンストップで全部やってもらえるんです。これが本当にスムーズなんです。

池野
私たちHOTnetの強みを十分に活かせる実験となりました。
原さんはいつも的確に指示を下さるので、それを私の後ろにいる沢山の優秀なスタッフが瞬時に理解して、それぞれの部署が先回りして動いてくれることで、スムーズだと感じていただけるオペレーションを実現しています。
原さんはいつも的確に指示を下さるので、それを私の後ろにいる沢山の優秀なスタッフが瞬時に理解して、それぞれの部署が先回りして動いてくれることで、スムーズだと感じていただけるオペレーションを実現しています。

原さま
今回も中継の場所が直前で変わってしまったんですが、柔軟に対応してくださいました。

池野
変更を伝えると、すぐにそれぞれが回線や必要な機材を手配しなおしてくれました。
データセンター側もすぐに調整してくれましたし、プロジェクトに関わる部署全体がそれぞれ主体的に動いて、最適に調整できるというのが弊社の強みだなと改めて実感しました。
データセンター側もすぐに調整してくれましたし、プロジェクトに関わる部署全体がそれぞれ主体的に動いて、最適に調整できるというのが弊社の強みだなと改めて実感しました。

実証実験で得られた成果

原さま
HOTnetさんの対応には十分満足しています。全てのコミュニケーションが非常にスムーズで、大きなトラブルはありませんでした。
本来であればもっと本番(地上波での生放送)に近いかたちで実験できたんですが、STV側の体制が十分でなかったところがあったので、その点は申し訳なかったと思っています。
本来であればもっと本番(地上波での生放送)に近いかたちで実験できたんですが、STV側の体制が十分でなかったところがあったので、その点は申し訳なかったと思っています。

池野
今回の実験を通して、放送業界の今後をどのようにしていくべきかという、一つの道が見えたのかなとは思います。
私たちも足りないパーツや考えなければいけないものが沢山見えてきました。
とはいえ、最終的なゴールラインをどこに置くかという目処は立ったと思います。そこへの到達点をフェーズに分けて一つひとつ実証実験していく。そうして、最終的に放送局が目指すグランドデザインに近づけていけるよう、進めていきたいと思っています。
私たちも足りないパーツや考えなければいけないものが沢山見えてきました。
とはいえ、最終的なゴールラインをどこに置くかという目処は立ったと思います。そこへの到達点をフェーズに分けて一つひとつ実証実験していく。そうして、最終的に放送局が目指すグランドデザインに近づけていけるよう、進めていきたいと思っています。

原さま
そうですね。今回の実験で最も重視したのは「信頼性」です。今回の実証実験の様な仕組みを今後地上波放送で利用することになった場合、映像の乱れや音声の途切れは絶対に許されません。
次に、オペレーション上の「遅延」の問題です。オンプレミスの専用ハードウェアの代わりに、データセンターに設置したサーバー上のアプリケーションで同等の機能を実現するので、回線やソフトウェア処理により、操作時のレスポンスの遅延がスポーツ中継のような動きの速い番組制作において許容できる範囲内に収まるかどうかを確認しました。
結果、どちらも今後実用化に向けて、前進させていこうと思える満足のいく成果が得られたと感じています。
次に、オペレーション上の「遅延」の問題です。オンプレミスの専用ハードウェアの代わりに、データセンターに設置したサーバー上のアプリケーションで同等の機能を実現するので、回線やソフトウェア処理により、操作時のレスポンスの遅延がスポーツ中継のような動きの速い番組制作において許容できる範囲内に収まるかどうかを確認しました。
結果、どちらも今後実用化に向けて、前進させていこうと思える満足のいく成果が得られたと感じています。

池野
今回のようなクラウドやソフトウェアを使用したオペレーションは、ハードウェア(TV局にある放送用の機材)に比べて不確実性が高いため、安定性をより一層高めていく必要があります。
幸い、STVさんの『放送』も、私たちHOTnetの『通信』も、「止めてはならない」という共通の使命が根底にありますので、お互いに協力してより良いモノにしていくことができると考えています。
幸い、STVさんの『放送』も、私たちHOTnetの『通信』も、「止めてはならない」という共通の使命が根底にありますので、お互いに協力してより良いモノにしていくことができると考えています。

今後の展望

原さま
実際に、今回の実験で検証したような技術が日常的に使えるようになれば、放送業界全体が大きく変化することになると思います。
例えば、複数の放送設備を社内に置いたり、中継車やその駐車スペースを確保することが不要となることから、よりコンパクトで自由度の高い社屋の建設ができるはずです。コストとリソースの配分が大きく変化することで、会社としてより良い未来に繋がると考えています。
例えば、複数の放送設備を社内に置いたり、中継車やその駐車スペースを確保することが不要となることから、よりコンパクトで自由度の高い社屋の建設ができるはずです。コストとリソースの配分が大きく変化することで、会社としてより良い未来に繋がると考えています。

池野
私たちはこれまでも、道内各地の監視カメラ映像などを送受信・解析するといった業務を行ってきました。
今回のように、より高い品質が求められる放送関連の業務や実験で得た知見をフィードバックできるなら、効率的で高品質な映像通信網の構築に役立てることができると思います。
今回のように、より高い品質が求められる放送関連の業務や実験で得た知見をフィードバックできるなら、効率的で高品質な映像通信網の構築に役立てることができると思います。

原さま
放送業界は、協調領域と競争領域があって、他の放送局と差別化するために非効率になっている部分があります。
例えば今、監視映像のことを話されましたが、各都市や河川の様子を中継する定点カメラなどは、独自性をだすために、他社と同じ画角にならないように敢えてちょっとだけ違う場所に設置したりしているんです。これを、共有することが出来れば、その分、今まで設置できていなかった場所にカメラを増やすことができ、結果として道民の皆さんの視聴体験を向上させることができるかもしれません。
そういう風に考えていくと、HOTnetさんの映像通信網とも連携するという選択肢もあるのではと考えています。今、我々の業界にはそういう意識の変化が求められていると感じています。
例えば今、監視映像のことを話されましたが、各都市や河川の様子を中継する定点カメラなどは、独自性をだすために、他社と同じ画角にならないように敢えてちょっとだけ違う場所に設置したりしているんです。これを、共有することが出来れば、その分、今まで設置できていなかった場所にカメラを増やすことができ、結果として道民の皆さんの視聴体験を向上させることができるかもしれません。
そういう風に考えていくと、HOTnetさんの映像通信網とも連携するという選択肢もあるのではと考えています。今、我々の業界にはそういう意識の変化が求められていると感じています。

池野
弊社は、これからも変化を求める放送業界に深く関わっていきたいと思っています。
直近では次世代回線網の拡大に向けてPTP(Precision Time Protocol)レベルの時刻同期が可能なネットワークの構築を進めていますが、ここでも放送利用のためのMoIP(Media over IP)に対応した回線を整備していく予定です。
直近では次世代回線網の拡大に向けてPTP(Precision Time Protocol)レベルの時刻同期が可能なネットワークの構築を進めていますが、ここでも放送利用のためのMoIP(Media over IP)に対応した回線を整備していく予定です。

原さま
それはまさに我々としてもリクエストしているところです。放送と通信は今後より切り離せないものになっていくと思います。
引き続き様々な分野で協力していければと思います。
引き続き様々な分野で協力していければと思います。

池野
またいろいろなチャレンジをしていきましょう!

取材実施日:2025年12月19日
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札幌テレビ放送株式会社 (STV) さま
1958年4月創立の日本テレビ系列の放送局で、読売中京FSホールディングス株式会社のグループ企業です。近年は、地上波放送に加えてBSでの放送、ネット配信など、「総合メディアコンテンツ企業」へと進化を遂げられています。
1991年にスタートした情報番組「どさんこワイド179」は、全国に先駆けて「生放送・双方向・地元密着」をコンセプトに、ニュースと生活情報を組み合わせた番組として制作されており、北海道民に大変親しまれています。
1991年にスタートした情報番組「どさんこワイド179」は、全国に先駆けて「生放送・双方向・地元密着」をコンセプトに、ニュースと生活情報を組み合わせた番組として制作されており、北海道民に大変親しまれています。
